妄想ポコ国旅行記

【連載小説】妄想ポコ国旅行記 - 第3話

真っ暗だ。何も見えない。宇宙? いや深海か? …たぶんどちらでもないな、呼吸は普通にできている。目を開いているかどうかもわからなくなる、本当の闇。腕も、脚も。すぐそこにあるはずの部位すらまるで見えない。目に見えないと、あるはずなのにないかもし…

【連載小説】妄想ポコ国旅行記 - 第2話

ポコ国の旅は2日目を迎えた。 昨日、サバ氏には少し気丈に振る舞ってしまったが、やはり長旅の疲れは確かに溜まっているようだ。ベッドの上でこれからの数日間を思い、わくわくして眠れなくなってしまったらどうしようなどと懸念もしたが、まったくもって要…

【連載小説】妄想ポコ国旅行記 - 第1話

ここはポコ国。四方を海に囲まれたこの島国の気候は年間を通じて温暖で、湿度が高く雨も多い。 主産業は柑橘類や葡萄の栽培と、その加工食品の生産である。柑橘と葡萄って気候的に一緒に扱えるものなの? という疑問が寄せられることも無いではないが、まあ…