30歳の卒業

f:id:kakuu-music:20181009162524j:plain

先週末で3年勤めた会社を辞めることになりました。

嫌なこともそりゃたくさんあったけど、好きな仕事だったと思います。

向いてたかどうかはわかりませんが…

それでも、好きでした。

色々な視点を持つことができた職場にはとても感謝しています。

急に辞めたい、と言い出した結果、少しだけ揉めてしまって、

まるで別れ話のあとのような重たく、つらい悲しみを負った日もありました。

でも、それ以上に応援してくれた人、背中を押してくれた人の存在が大きくて、

そんな人たちに恥じない立派な人間になりたい、と思うばかりです。ううう。

 

辞めるその日まで辛すぎて体調もガッタガタだったのですが、休まず会社に行った自分を褒めたいです。笑

 

 

さて、なぜ会社を辞めたかというと、音楽への夢が諦めきれなかったからです。

音楽を愛する人たちのために働きたかった。

 

あくまで趣味ではあるけど、バンドというものを始めた10年ほど前から、

私の世界は「あっち側」と「こっち側」に分かれてしまった。

いつかはあっち側に行くんだろうな、とか思ってたのは

サッカー少年が将来Jリーガーになる!と言い出すみたいに自然なことでした。

反面、それが幼き頃の微笑ましい思い出、になっていくのもまた自然な流れなわけで。

 

30歳の大人になって、仕事にも暮らしにも概ね満足していました。

でも、私の中の憧れがずっと、もうずっと鳴り止まない自覚はありました。

 

そんな折、たまたま見かけた音楽業界の求人に、思い切って応募した。

落ちたら恥ずかしいから、夫にも秘密で、こっそりES書いて。笑

そしたら受かってしまったのです。

 

嘘みたいだ!!と思った。

でも、心のどこかで、こうなることをわかっていた気もする。

 

これは遠回りだったのか?

それとも、長い目で見たら近道なのかもしれない。

先のことはわからないので、不安もいっぱいですが、とにかく一生懸命がんばろうと思います。

挑戦ははじまったばかり。

 

 

 

 

音楽が好きです。

楽しいときも悲しいときも音楽がありました。

 

音楽についてまじめに考えるとき、いつも思い出す光景があります。

社会人一年目の頃。

ほんの5年ほど前なのに、

今よりずっと私は若く、弱く、世間を知らず、何もできなかった。

新卒入社した会社をなすすべもなく辞めた。無力感に苛まれて、メンタルもやられて、病院に通って薬もたくさん飲んで、どん底だった頃。

それでも音楽だけはやめられなくて、体引きずってでもスタジオにいって、リハーサルして、ライブして、

袖にさがったあと、楽器を抱いてうずくまって号泣した記憶が

いつも蘇るのです。

 

 

このために生きてるんだと思った。

これが何にもならなくたって、絶対にやめてはいけないと思った。

音楽を好きだ、という気持ちが私を正しい方に導くに違いない、と思った。

本気で思った。

 

 

このように、夢みたいなことばかり言っています。

私は音楽に騙されているのかもしれません。

 

 

でも、もうすこし騙されていたいのです。

 

 

 

秘密で採用試験を受けてきたにも関わらず、本当のことを白状しても咎めることなく、心から応援してくれた夫には感謝しかありません。本当にありがとう。