フトアゴ麦茶物語~出会い編②~

前回のお話はこちら

【前回までのあらすじ】

爬虫類を家族に迎え入れようと決めた我々夫婦。妻の退職金をベットして飼育用のフル装備を購入、いよいよ“運命のフトアゴヒゲトカゲ”を選びにいくのであった…

 

 

よく晴れた2021年4月24日。ゴールデンウィーク(GW)の前哨戦となる土曜日であった。
連休の時期を狙ったのは、最初はなるべく家にいて様子を見たかったため!!
当時ほぼ在宅勤務だったものの、仕事のことは気にせず見守りたかったのだ。

トカゲには家に着いたらすぐくつろいでもらうため、前日にばっちり水槽をセッティングしておく。
連れて帰る道中が寒かったらかわいそうなので、いちばんあたたかいお昼に爬虫類クラブ中野店に行くことに。
お昼に間に合うよう、私はあさイチで、なぜか美容院に行き髪型を変えました。深い意味はない。

 

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これが

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こうなって

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こうなって

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こうじゃ!!!!

事前に夫とはどんな子がいいか軽く話しあっていましたが、いい意味で「何色がいい」とか「オスがいい、メスがいい」とかこだわりなく、出逢ったときの直感を大事にしようという結論になったことをよく覚えています。
というか夫は一貫してそうでしたね。
私は、メスの場合は卵詰まりなどの婦人病(?)リスクがあるので
どちらかといえばオスがいいのかな?と思っていましたが、最終的にはどっちでもよかったです。(※のちにこれが伏線になるとは…!!!)
一方で夫は、トカゲの一生において、少しでも長く一緒にいたいから、赤ちゃんから育てたいという気持ちがちょっと強かったようです。
…とまあ、いろいろ考えてたけど結果として宇宙でいちばんかわいい麦ちゃんがおうちに来てくれてハピハピハッピッピ!!


爬虫類クラブ中野には、2Fにまるで幼稚園みたいにたくさんのフトアゴ赤ちゃんがいます。

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写真はイメージだす


掌にすっぽり入る小ささでみんなとてもかわいい。どの子が来てもウェルカム!!
このときは気分も高揚していたので、「2匹連れて帰って同居させてもいいかも」とか浮かれたことを夫婦で言っていたのを思い出す。
(初心者がいきなり多頭飼いは危険だ!!)


そんなこんなで、見た目文科系ロン毛男子の店員さんに「フトアゴを買いたいのですが…」と声をかけたところ

「フトアゴ飼育は初めてですか?」

と見透かされたようにきかれる。
我々が挙動不審だったのか、見ない顔だったからなのか、はたまた来る人全員にきいているのかは謎です。

正直に初めてである旨を伝えたところ、「だったらここにいる子はちょっと難しいと思いますよ」と浮かない感じで言われる。まじか。
フトアゴ、というか爬虫類全般、というか生き物全般そうだと思いますが、生後3カ月を過ぎるまでは「魔の3カ月」といわれ、ちょっとした不注意が死に直結する難しい時期なんですってね。
でもこの幼稚園、「初めての人でもおすすめ!」シールが貼ってある子もけっこういるんですけども!?と思いつつ、
店員さんの対応は誠実だったなと思います。
今思えばあれは「(赤ちゃんトカゲが)初めての人でもおすすめ!」の意だったのかもしれぬ。

 

「どの子なら大丈夫ですかね…?」とこっちはこっちで浮かない感じできいたところ、
「このくらいだったら安心です」と示された中くらいサイズの子がたまたまハイポゼロという純白の人気カラーで、予算の2~3倍の価格がつけられていたため断念。

同じくらいの大きさの子は他におらず、半ば心折れそうになりつつも(当時は「自分は初心者だから受け入れてもらえないんじゃないか」と自信がなく、すぐ心折れそうになっていた。今となっては、生き物を飼うんだから、そのくらいで心折れるくらいならやめえ!!初心者だからこそその強みを活かしてガンガン質問しせえ!!って思う。反省。)
「3階にもうちょっと育った子がいるので」ということで、
赤ちゃんは諦めて生後6カ月以上(推定)のヤングフトアゴから選ぶことになりました。


当時お店にいたヤングフトアゴは2匹。
パステルオレンジの男子とハイカラーの女子。

このハイカラーの女子がのちの麦ちゃんです!!


これはのちにお店のブログの過去記事から探し当てた、「ハイカラー メス」こと入店当時の麦ちゃんの写真。ガリガリで衝撃…

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ハイカラー メス


同時期に入荷されたという「即戦力」さん(我々が来店時はすでにおらず)と比べると、同じ生き物か?という気持ちになる。

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ムッチリ

でもご安心ください、今麦ちゃんはこんなに↓ムッチリと健康的に育ちました!!

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2022年2月現在。でもこうして見ると「即戦力さん」よりまだ全然細いですね…


話を戻します。
大きさはパステルオレンジくんもハイカラーちゃんも2匹とも申し分なし。
「今日ぜったい連れて帰る!」という気合で店に来たし、いい意味で「こだわりがない、直感大事に」なのでもう2択ですよ。

取り急ぎハイカラーちゃんを手の上に乗せてもらうと、日向ぼっこ中だったようで身体がぽっかぽか。
手の上でおとなしく収まってくれるさまがとてもとても愛らしく、思わず「かわいい…!」と声が漏れたのをよく覚えています。

店員さんによるとパステルオレンジくんは活発でユニークな行動がおもしろい、
ハイカラーちゃんはおっとりおとなしい、とのこと。
おそらく玄人だったらとにかく元気で健康そうなほうを選ぶんだと思うんですが(※これものちに伏線になるなんてこのときは知る由もなかった)

我々夫婦は素人ゆえどちらもかわいくて決められず…

そんななか決め手となった店員さんの一言

「こっちの子(パステルオレンジくん)は昨日(4月23日)入荷したばかりなんですよ!」

対するハイカラーちゃんの入荷日は「2021年2月」

その瞬間夫婦の気持ちはひとつになったね。言葉を交わすことなくお互いの目が「この子を選んであげなきゃ…!」となっておりましたね。


2か月のあいだ選ばれずにいた彼女に対し、勝手にこっちが感情移入して不憫に思うのは、相手からしたらとても失礼な話かもしれませんが
理由はどうあれ、このとき麦ちゃんを選んで本当に正解だったなと心から思っています。

また、こういうときに同じ感覚を持って選択ができる夫と結婚してよかったなと思います。

タクシーに乗っておうちに連れて帰って、晴れて麦ちゃんとの生活が始まるのでした

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麦ちゃんよろしくね!!

 

【麦茶】
フトアゴヒゲトカゲ(ハイカラー)。メス。チェコのブリーダーのもとで誕生。
2月に来日。年齢は不明だが、来日時にだいたい生後半年~8カ月くらいか。
なので我々と出逢った4月時点で、1歳になるちょっと前だったかなと思っています。

ちなみにハイカラーは茶色~灰色っぽい野生型の色。野生型カラーは「ノーマル」ともいうのですが、イエローやオレンジの親から生まれたノーマルっぽいカラーの個体を「ハイカラー」と呼ぶようです。親の遺伝なのか、麦ちゃんは成長してから黄色みが強くなりました。

出逢ったときの体重は271g

「麦茶」という名前は、私が独身時代からいっしょにいる恐竜のぬいぐるみ「抹茶太郎」にちなんでつけましたパァ

 

(パァ?)

 


男子だったら麦茶太郎にするつもりでしたが、女子なので麦茶です。

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抹茶太郎くんと麦茶ちゃん

次回、麦茶とのいとおしい日々のはじまりと
我々を襲う突然の困難を綴ります


続く…!!